日本酒の種類 (その他)


<普通酒>

普通酒とは、特定名称酒(吟醸酒・純米酒・本醸造酒)以外のお酒の事で、出来上がったお酒に、醸造アルコールと調味料を加えたお酒です。一般清酒とも言い、日本市場の大半を占めていると言われています。戦中戦後の食糧難であった頃、米不足をカバーするためにアルコールなどを加え、お酒を増量する製法が開発されました。普通酒は、この流れを踏襲した物と言われています。この紹介文を見ているだけでは、「質よりも量」を重視した、粗悪なお酒の様に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、最近では普通酒も、「質」が問われる時代になり、醸造アルコールの使用料も減ってきている傾向にあるそうです。



<原酒>

普通、日本酒は醪(もろみ) を搾った後に、水を加えてアルコール度数を調整しているのですが(この作業を割り水と言います。)、水を一切加えないで出荷したお酒を「原酒」と言います。水を一切加えていない為、アルコール度数が高いのが特徴で、だいたい18度〜20度ぐらいあると言われています。昔は、「原酒」とは加水されない純米酒の事だけを指していたのだそうですが、現在ではそれ以外のお酒でも割り水をしていなければ、「原酒」と呼んでいるそうです。





<生>

通常のお酒は、搾ってお酒にした後タンクに貯蔵する前と、ビンに詰める前に加熱殺菌(火入れ)を行いますが、この加熱殺菌(火入)を行わないお酒が、「生」となります。ただ、「生」と一口にいいましても実は3酒類の「生」がありまして、加熱殺菌(火入)を1度も行わないお酒が「生酒」。貯蔵前だけに加熱殺菌したお酒を「生詰め」。逆にビン詰め前だけに加熱殺菌したお酒を「生貯蔵酒」といいます。「酵母菌が生きたフレッシュな味わい」が特徴だと言われているのですが、「生詰め」、「生貯蔵酒」は1度加熱殺菌をしてありますので、まだ「生酒」よりも品質の劣化のし難い飲み物だと言えると思うのですが、「生酒」はさすがに1度も加熱殺菌をしておりませんので、生鮮食料品と同じくらいにとても保管方法には気を付けなければならないデリケートな飲み物でして、常時5度〜6度以下の温度で保管されていないとすぐ変質するおそれがあります。そう考えますとこのお酒(生)の保管場所は、冷蔵庫でしかありえないのかもしれませんね。

【加熱殺菌(火入れ)について】
火入れとはお酒造りの工程の1つで、お酒に55℃〜60℃の熱を加える作業の事です。加熱する事によって、酵素の働きを止めて腐敗防止の効果を高め、熟成の度合いを加減します。





<貴醸酒>

日本酒は普通、米・米麹に水を加えて仕込みをするのですが、この仕込み水の一部に清酒を使ったもの。また、搾ったお酒に新たに新しい麹を入れて醸造したものを「貴醸酒」と言います。この「貴醸酒」と言うお酒は、古事記に記されている、ヤマタノオロチ退治に使われた「八塩折の酒」に似ているそうで、気になる?「貴醸酒」の色合いや味わいはと言いますと、琥珀色で、濃厚な甘味があるそうです。ちなみに、現在「貴醸酒」を生産している蔵は全国で20数社しかないそうです。





<古酒>

日本酒にもワインや泡盛と同じように長期熟成させた古酒があります。豊潤な風味を引き出すため、管理のいきわたった蔵で、じっくりと時間をかけて熟成させます。古酒の色合いは、熟成の度合いによって異なり、黄金色や琥珀色、褐色に近い色まであります。古酒の香りと味わいは中国の老酒に似ていて、ナッツやバター、スパイスなどが複雑にからみ合った力強い香りに、旨味をもった重厚な味わいが特徴です。なお、一般には3年以上熟成したものを「古酒」と言うのですが、中には「秘造酒」と呼ばれる、10年以上熟成した古酒もあります。




<山廃仕込み >(山廃とは「山卸廃止」の略の事です。)

酵母を培養する働きがあり、また酵母から雑菌を駆除する働きを持つ乳酸菌を多く含んでいる液を「もと」と言いますが、既成の醸造乳酸を使わずに、乳酸が自然に出来るのを待つ方法(きもと)で造られる場合、「山卸」という作業がされます。

「山卸=(もと)を作る為に麹、水、蒸米を入れた桶の中の蒸米を、蔵人たちが大きな櫂(かじ)を使って潰していく作業の事です。」

「山廃仕込み」のお酒とは、(きもと)の作業でとくに労力を要する「山卸」の作業を廃止した、(きもと)の改良法の事です。精米歩合や技術向上によって、米のデンプン質が麹の酵素により自然と溶け出るのを待って「もと」を造るようになったので、櫂(かじ)で潰す必要がなくなったと言う訳なんですね。但し、昔ながらの「山卸」を行って造られるお酒もあり、これが「きもと仕込み」と銘打たれたお酒になります。お酒の特徴としては、「濃厚な風味」を持っていると言われています。





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