日本酒の種類について.2




こちらのページでは、日本酒の製法の中でも一般に出回っている様な普通のお酒とはちょっと違った?製法をご紹介させて頂きたいと思います。


【生酒】
通常のお酒は、上槽してお酒にした後、タンクに貯蔵する前に1度と、ビンに詰める前に1度の、計2度の加熱殺菌(火入れ)を行いますが、加熱殺菌(火入)を1度も行わないお酒が「生酒」。貯蔵前だけに加熱殺菌したお酒を「生詰め」。逆にビン詰め前だけに加熱殺菌したお酒を「生貯蔵酒」といいます。
フレッシュな味わいが特徴ですが、さすがに生酒になりますと1度も加熱殺菌を行っていないため、常時5~6度以下で保管していないと劣化する恐れがあり、冷蔵庫保管が必須なとてもデリケートなお酒と言えます。


【原酒】
通常、日本酒は醪を搾った後に、水を加えてアルコール度数を調整(普通のお酒は15度~16度といったところでしょうか。)させるのですが、その水を加えないお酒を原酒と言います。一般的にはアルコール度数が18度~20度近くなり、ガッチリとしたタイプのお酒が多い様な気がします。


【古酒】
日本酒を長期間熟成した物を言います。一般的には3年以上熟成したものを指すそうです。お酒好きの中には、この古酒を自作して楽しんでいらっしゃいると伺った事があります。造り方はいたって簡単で、自分で買ってきた日本酒を、遮光した冷蔵庫の中へ入れておけば良いのです。なぜ冷蔵庫なのかと言いますと、一年中温度変化が無いからで、日本酒(特に吟醸系の高級酒)の保管には温度変化は敵の様です。蔵元さんは常時一定温度を保つ倉庫を持っていたりしますが、一般の人にはそんな物はもちません。ですので一番手頃なのが冷蔵庫となります。
もちろん飲むまでは開栓してはいけませんので我慢も大事ですが、3年後をめどに挑戦してみてはいかがでしょうか?
追記:いつも思うのですが、なぜ名前が「古酒」なんでしょうねぇ・・・?。なんだか古いお酒みたいじゃないですか・・・?。「熟成酒」に名前変えしれば良いのに・・・と思ってしまいます。


【にごり酒】
発酵完了直前の醪を目の粗い布でこしたお酒です。甘酒の様に白く濁っているのが特徴で、荒漉しのために醪の中の蒸米や麹の粒が残留していたりします。


【樽酒】
木製の樽で貯蔵して、木の香りをうつしたお酒です。木は杉を使用しております。私も以前飲んだ事がありますが、日本酒を飲むとほんのりと木の香りがします。


【貴醸酒】
日本酒は、米・米麹に水を加えるのが普通の仕込みなのですが、この仕込み水の一部に清酒を使ったもの、または、搾ったお酒に新たに新しい麹を入れて醸造したものを「貴醸酒」と言います。この「貴醸酒」と言うお酒は、古事記に記されている、ヤマタノオロチ退治に使われた「八塩折の酒」に似ていると言われているそうです。
私も以前飲んだ事がありますが、色も琥珀色で神秘的なのですが、トロリとして甘くて濃い、とにかく味も神秘的なお酒です。飲まれるときは、いつも飲んでいる日本酒とは別物と思って飲んで下さい。


【山廃仕込み】(山廃とは「山卸廃止」の略の事です。)
酒母(酛)造りの際、既成の醸造乳酸を使わずに、乳酸が自然に出来るのを待つ方法(生酛)で造られる場合、「山卸」という作業がされます。
「山卸=(酛)を作る為に麹、水、蒸米を入れた桶の中の蒸米を、蔵人たちが大きな櫂(かじ)を使って潰していく作業の事です。」
「山廃仕込み」のお酒とは、(生酛)の作業でとくに労力を要する「山卸」の作業を廃止した、(生酛)の改良法の事です。精米歩合や技術向上によって、米のデンプン質が麹の酵素により自然と溶け出るのを待って「酛」を造るようになったので、櫂(かじ)で潰す必要がなくなったと言う訳なんですね。但し、昔ながらの「山卸」を行って造られるお酒もあり、これが「生酛仕込み」と銘打たれたお酒になります。お酒の特徴としては、「濃厚な風味」を持っていると言われています。





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